中国・四国支部案内
中国・四国支部は1970年に設立され、中国・四国地区の、建築設備(空気調和・暖房・換気・給排水・その他の衛生設備)と環境工学の領域において、活動する学術団体です。
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■ 支部案内図

住所
〒730-0051
広島市中区大手町3-8-22
広島管工事会館内
 TEL082-244-1770
 FAX082-241-4735
交通
広島電鉄
「市役所前」 下車
徒歩3分

バス
「市役所前」 下車
徒歩3分

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■ 支部組織図(2023年6月現在)
 
組織図
委員名簿(PDF)

 
■ 受賞報告
振興賞
目的
本会は、空気調和・衛生工学と工業の振興と発展および新進の研究者・技術者を育成することを目的として、特に優秀な大学の学生、高校教育に携わるものの論・報文、会員の技術に関する業績に対して賞を贈って表彰する。

振興賞 技術振興賞
表彰を行う年の前々年の12月31日からさかのぼって前2年間に竣工した設備または施設の計画・設計・施工に関する業績、ならびに公表された以下の業積のうち、審査時に使用中の本会会員の業績で技術の振興と奨励にふさわしいと認められるもの
(1)調査・開発に関する技術 (2)装置・製品などの発明・考案 (3)施工技術 (4)その他

第35回(2020年)受賞
テラル株式会社 本社事務所棟
〜井水熱を活用した環境配慮型小規模ZEBの実現〜
計画・施工/株式会社プランテック総合計画事務所
企画・計画/テラル株式会社
施工・検証/株式会社大林組
施工   /ダイダン株式会社
機器開発 /荏原実業
テラル株式会社 本社事務所棟
推薦文(要約)
 本業績は、工場敷地内オフィスのモデルZEB建築物となることを目指して計画されたものである。本社事務所棟(鉄骨造、地上2階、延べ面積1,965.31m²)は、一般社団法人静岡県環境資源協会の補助金を受けて2018年11月に竣工した。建築的なパッシブ省エネルギー技術と、設備的なアクティブ省エネルギー技術を効果的に取り入れることで、一次エネルギー消費量はWEBプログラムによる結果と比べ78%削減され、「Nearly ZEB」を実現している。
 本業績の主たる評価点は、以下のとおりである。

1) ガラス素材多用外皮と省エネルギーを両立させた外皮計画
 軒の出の深い庇、水平フィンを配置したカーテンウォール、電動(調光)ブランド、磨りガラス内壁などにより、日射遮蔽と開放性・昼光利用に配慮した計画としている。
 南面と東面は、断熱材を挟んだアルミパネル材を採用し、その内側に硬質ウレタンフォームを、西面と北面は、ALC板の内側に硬質ウレタンフォームを吹き付け、窓ガラスには、Low-E複層ガラスを採用し、平成25年度省エネルギー基準の寒冷地レベルの断熱性能を確保している。
2) 太陽熱と井水熱を積極活用する設備計画
 屋上に設置した太陽熱集熱器からの温水を貯湯槽経由で、夏季にはマルチモードロータ空調機のロータの再生に、冬季には同空調機の加熱コイルと熱源水の昇温に利用している。貯湯槽の内部にディストリビューターを配置し温度成層を有する構造としている。
 揚水井戸から地下水を汲み上げプレート式熱交換器を介して熱源水と熱交換させ還水井戸に戻している。熱源水は、夏季には水式輻射パネル、アクティブチルドビームで、夏季・冬季の双方においてマルチモードロータ空調機、水熱源ヒートポンプユニット・エアコンで利用している。
 執務エリアでは、冷房は天井に設置した水式輻射パネルとチルドビームで、暖房は床下に設置した水熱源ヒートポンプユニットの床染み出し空調で行なっている。
3) マルチモードロータ空調機の導入
 同一ロータで回転速度を変えることで、夏季のデシカント機能と冬季の全熱交換機能を使い分けることができるロータを搭載したマルチモードロータ空調機を国内で初採用した。一般的なデシカント空調機と比較してコンパクトであり省スペース化が図れ、価格が安価である。また、吸湿したロータの再生に太陽熱を利用することから、自然エネルギーとの親和性も高い。

 さらに運用開始後、オーナー自らがポンプ・送風機メーカーならではのクラフトマンシップを発揮して工夫を凝らしたシステム改善を行なっており、さらなる可能性が期待できる。

 よって、本業積は空気調和・衛生工学会振興賞技術振興賞に値するものと認める。


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第34回(2019年)受賞
ダイキンアレス青谷2期の自然環境と共調する建築設備計画
計画・設計・検証/株式会社竹中工務店 大阪本店
計画/株式会社ダイキン工業
検証/株式会社竹中工務店 環境エンジニアリング本部
心臓病センター榊原病院
推薦文(要約)
   本業績は、海外技術者の長期滞在型研修や、開発・生産技術研修に対する需要の高まりをうけて、空調機メーカーのグローバル研修所の増築として計画されたもの(増築部延床面積13,678m²)である。海岸沿いに立地しているため眺望など自然環境に大変恵まれているが、塩害や砂害等、設備機器や良好な空気環境を実現するには過酷な環境下にある。これまでの外部から遮断する建築ではなく、塩害地における『自然環境との共調』を実践したモデルケースとして計画されている。さらに海外研修者が多いため多様な空間を求められる中、空気環境の個別解への追及を実践している。
   本業績の主たる評価点は、以下のとおりである。

1) 日本海側の潮風と寒さに対応した設備計画
   塩害地域において、開放系の換気ソリューションを構築している。自然換気取入口を、海岸側の反対側に設け、敷地の樹木により塩分をフィルタリングしている。外気温湿度や降雨、風速などの外に風向を選択条件とし、らせん階段等を経由した自然換気を行っている。機械換気時にも、外調機への外気を海岸とは逆側から取入れ、地熱交換ピットを経由して、熱交換、除湿・除塩効果を獲得している。また、寒さ対策として、夏は天井吹出し、冬は床吹出しと切り替えた空調計画としている。
   熱源は複合用途に適した水冷マルチパッケージ型空気調和機方式とし、中温バッファ水槽を備え、夜間の高効率運転や中間期には熱源を稼働しない運転など、柔軟な熱源の運転により部分負荷システム効率の向上が図られている。
2) 個人の好みの空気を探索する計画
   グローバル化や感覚の多様化に対応した『個別解』を実験的に導入し、基礎データの蓄積を行い、今後の空気環境の多様性に向けた計画を実施している。実技研修や屋外活動により熱を持った身体を冷却する『クーリングスポット空調』、背もたれと足元に個別に送風し快適性を提供する『円形空調ベンチ』、天井からの放射と床暖房を組み合わせた『素足コーナー』などを導入している。また、宿泊室には使用シーンが選択制御できるタブレットPCを設置し、性別・国籍などで分類される快適性に関わるデータを蓄積している。
3) 建物運用の高度化・高効率化
   設計施工段階のBIMを簡略・軽量化し、FM利用を前提としたモデルを構築し活用している。設備機器台帳と連携して予防保全に活かすほか、タブレットPCによる現地での見える化など、利便性向上のための取り組みが行われている。

   空調機メーカーの自社研修施設として計画された本業績は、今までの知見に基づいた塩害地域対策を盛り込んだ自然換気計画や、個々人の多様化に対応した空気環境の個別解の探索など、意欲的な空調計画が盛り込まれている。また、窓面の空調吹出口の冷暖房時切り替えや、高効率水冷マルチパッケージ型空気調和機方式の採用など空調の基幹部分も丁寧に計画されている点は高く評価できる。
   空気環境の個別解の各施設における評価や、宿泊室で実施しているタブレットPCによるアンケート調査解析などにより、快適性に関するデータが蓄積され、今後の展開に反映されることが大いに期待できる。

   よって、本業積は空気調和・衛生工学会振興賞技術振興賞に値するものと認める。


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第34回(2019年)受賞
高松電気ビルにおけるコミッショニングを活用した
環境負荷低減・省エネルギーの取り組み
基本計画/四国電力株式会社
実施設計/株式会社四電技術コンサルタント
運用管理/四電ビジネス株式会社
放射空調・計画/福島大学 赤井仁志特任教授、電力中央研究所 岩松俊哉
空調システム・性能検証/九州大学大学院 住吉大輔准教授、呉濟元
高松電気ビル
推薦文(要約)
   本業績は、「地域共生」をコンセプトとして、外皮熱負荷の低減,再生可能エネルギーを最大限に活用した延床面積約11,600m²の環境配慮型オフィス(CASBEE-建築(新築)のSランク)である。また、竣工後3年間にわたり運用状況を分析し、設備機器などをより適切に運転するためのコミッショニング活動を継続的に実施し、エネルギー消費量の削減に注力している。さらに、天井放射空調と微気流空調の組み合わせによるハイブリッド空調を新たに開発し、室内温熱環境と知的生産性の向上に取り組んでいる。これらの取り組みにより、快適な省エネルギー建物を実現した業績である。
   本業績の主たる評価点は、以下のとおりである。

1) 大庇および外部ブラインドを用いて、内部空間への日射をコントロールしている。外部ブラインドは、太陽高度に対応してスラット角度が自動で追尾する機構を有し、昼光利用と合わせて制御を行っている。
2) 各執務室の電動オペレータによる内倒し窓より給気し、建物中央の吹抜トップライト上部から排気する自然換気が効果的に実施されている。また、吹抜トップライトにはプリズムルーバを採用し、昼光を効率的に取り入れ照明負荷削減に寄与している。
3) 執務内容に合わせて快適性及び知的生産性向上を図るために、天井放射空調システムと微気流空調を組み合わせたハイブリッド空調を採用している。実大模型実験による性能検証を行い、静穏で快適性の高い天井放射パネルの開発・検証を行っている。また、外調機の還冷温水を天井放射パネルに供給するカスケード利用を行い、エネルギーの有効活用を図っている。
4) コミッショニング活動を実施し、運用状況を詳細に分析して、熱源設備などの運用改善を実施し、特に空冷ヒートポンプチラーと氷蓄熱の運転モードの適正化や制御温度の改善など、竣工後の運用状況に合わせたチューニングを行っている点は評価が高い。また、帯水層蓄熱を試験的に導入し、再生可能エネルギーの有効活用に向けて先進的な取り組みを実施している。

   上記の竣工後の設備機器などの運用改善を実施することで、2018年度の運用実績は778MJ/(m²・年)(前年度比4.9%減)と継続的な省エネルギー化を達成している。また、執務者の快適要求に対応した運用改善を行っていることは評価できる。

   よって、本業積は空気調和・衛生工学会振興賞技術振興賞に値するものと認める。


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過去の受賞
受賞時期 業 績 名 称 受賞者(社)
第33回
(2018年)受賞
阿南市新庁舎
大規模吹抜け空間とソーラーボイドを有する環境共生建築の計画と性能検証
計画・設計・検証/株式会社日建設計
計画/阿南市
施工/株式会社朝日工業社大阪支社
検証/大阪大学 山中俊夫
検証/福井大学 桃井良尚
清水建設四国支店
〜中規模オフィスビルにおけるZEBへの取り組み〜
計画・設計・施工・監理/清水建設株式会社関西支店
施工/ダイダン株式会社四国店
機器開発/清水建設株式会社
検証/立命館大学 近本智行
第32回
(2017年)受賞
新居浜市 あかがねミュージアム
〜人が集う文化施設における温熱環境と空気質の提案と評価〜
計画・設計・評価検証/株式会社 日建設計
計画・運用/新居浜市・あかがねミュージアム
施工/三井住友建設(株)、(株)一宮工務店、(株)白石工務店
評価検証/東京工業大学 鍵 直樹、工学院大学 柳 宇

振興賞 学生賞
表彰を行う年に卒業する学部学生のうち特に成績優秀の者で、本会に登録した大学の学科主任教授の推薦を受けた者
受賞時期 氏名 学校名
第37回
(2022年)受賞
毛利 瑠美 岡山理科大学工学部 建築学科
田端 遥 近畿大学工学部 建築学科
山縣 知世 広島工業大学環境学部 建築デザイン学科
藤谷 真唯 広島工業大学工学部 建築工学科
水井 駿貴 広島大学工学部 第四類 建築・環境系
豊澄 潤 福山大学工学部 建築学科
蔦 裕気 山口大学工学部 感性デザイン工学科
眞山 尚輝 米子工業高等専門学校 専攻科 建築学専攻

受賞時期 氏名 学校名
第36回
(2021年)受賞
角南 龍哉 岡山理科大学工学部 建築学科
西村 昭春 近畿大学工学部 建築学科
手山 堅心 徳山工業高等専門学校 環境建設工学専攻
武田 駿 広島工業大学環境学部 建築デザイン学科
有岡 一 広島工業大学工学部 建築工学科
荒木 良太 広島大学工学部 第四類建築学課程
薬師神 光希 福山大学工学部 建築学科
井上 諒子 山口大学工学部 感性デザイン工学科
河本 幸樹 米子工業高等専門学校 建築学専攻

受賞時期 氏名 学校名
第35回
(2020年)受賞
勝瀬 航河 岡山理科大学工学部建築学科
石川 颯大 近畿大学工学部建築学科
馬上 佑麻 広島工業大学環境学部建築デザイン学科
山田 若菜 広島工業大学工学部建築工学科
深澤 真澄 広島大学工学部第四類建築プログラム
大下 樹弥 福山大学工学部建築学科
弘中 甫英 山口大学工学部感性デザイン工学科
和田 虎之慎 米子工業高等専門学校専攻科 建築学専攻

 
■ 会員募集

空気調和・給排水衛生工学に関する、技術研究と実際への応用のための研究を行う学術団体です。
入会された会員の方には、次のような特典があります。

(1) 空気調和・衛生工学に関した最新の技術や、関連した諸問題の展望などを特集した学会誌"空気調和・衛生工学"が毎月配布されます。
(2) あなたの研究成果を会誌や論文集へ発表することが出来ます。また、年1回開催される学術講演会への発表も出来ますし、聴講もできます。
(3) 講習会やシンポジウム、見学会などの各種行事へ参加できます。
(4) "空気調和・衛生工学便覧"をはじめ、"規格" "空気調和・衛生用語辞典"その他各種資料、報告書などが会員特価でお求めになれます。
(5) 賛助会員になって頂ければ学会広告料の割引の特典があります。

入会を希望される方は本部『学会の概要。入会案内』ページへ