見学会報告
 
■広島工業大学 三宅の森 Nexus21
日時 平成21年1月29日(木)
参加人数 82名
施設名 広島工業大学 三宅の森 Nexus21
施設概要 広島工業大学 三宅の森 Nexus21は、建学の精神に立ち返り教育方針を具体化する取り組みの一環として計画され、五日市キャンパスの核となる施設です。
エコキャンパスとして、
@広島工業大学の環境憲章を具体化するキャンパス
A地域になじむキャンパス
Bパッシブなキャンパス
以上三つの取り組みを行い接続可能な社会の実現を目指しいます。空調機器・衛生器具などに関しても、積極的に省エネ計画を行うとともに、環境に配慮して、自然エネルギーの有効利用も行われています。
建築概要 建物規模 地上10階、塔屋1階
構造 高層棟:鉄骨造   低層棟:鉄筋コンクリート造
建築面積 6,892m2
延床面積 36,172m2
空調設備
主要機器
ガス焚吸収式冷温水機 冷房能力 949Kw '12℃/7℃ 2台
暖房能力 687Kw '51.4℃/55.0℃ 2台
ジェネリンク 冷房能力 791Kw '12℃/7℃ 2台
暖房能力 586Kw '51.4℃/55.0℃ 2台
冷温水1次ポンプ 125 X 100 X 2,721 リットル/min X 16mAq 2台
  100 X 80 X 2,267 リットル/min X 25.8mAq 2台
排熱回収ポンプ 80 X 65 X 724 リットル/min X 25.7mAq 2台
冷温水2次ポンプ 125 X 100 X 3,323 リットル/min X 43.2mAq 3台
プレート熱交換器 暖房能力 252Kw    
  1次側温水 724リットル/min '88.0℃/83.0℃ 2台
  2次側温水 1005リットル/min '51.4℃/55.0℃  
その他 空調機 7台
外調機 14台
ファンコイルユニット 432台
GHP 151台
EHP 16台
全熱交換器 82台
衛生設備
主要機器
上水受水槽 FRP製 7,500 X 4,000 X 2,500H 1台
上水高架水槽 FRP製 4,000 X 3,000 X 1,500H 1台
中水高架水槽 FRP製 4,500 X 3,000 X 1,500H 1台
雨水沈砂槽 地下ピット 6.0 m3 2槽
雨水貯留槽 地下ピット 120.0 m3 1槽
雨水処理槽 地下ピット 60.0 m3 1槽
上水揚水ポンプ 80 X 65 X 800 リットル/min X 80m×22kw 2台
中水揚水ポンプ 65 X 50 X 700 リットル/min X 70m×18.5kw 2台
給湯器 マルチガス給湯器 55号 X 2台 1セット
グリストラップ SUS製 1,000 リットル 1台
雨水濾過装置 FRP製、シリカサンド、3.4m3/h 1台
スプリンクラーポンプユニット 屋内消火、スプリンクラー兼用 1台
125 X 1,380 リットル/min X 122m X 55kw
屋外消火ポンプユニット 80 X 65 × 800 リットル/min X 47m X 11kw 1台
泡消火ポンプユニット 80 X 65 × 840 リットル/min X 65m X 15kw 1台
省エネ計画
コージェネレーションシステム 発電機 305KVA X 2台
高効率機器の採用 空調機器 : 可変風量システム、変風量システム
空調機への全熱交換器の組込み
衛生器具 : 節水型器具
照明器具 : 高効率照明器具(Hf)
自動点滅・調光システム : 昼光センサー、人感センサーによる照明制御
クールチューブ 1階空調機導入の外気を、ピット内経由で導入
エスカレーター 人感センサーによる自動運転
雨水・井水利用 便所の洗浄水、屋外散水栓、空調冷却水補給水
<<設備概要>>
1.空調設備概要
 1) 定風量単一ダクト方式 デネブホール、エントランスホール、食堂
 2) ダクト + ファンコイルユニット方式 各教室
 3) 全熱交換器 + エアコン(GHP)方式 事務所、会議室、面談室他
 4) 全熱交換器 + エアコン(EHP)方式 防災センター、サーバー室他
 5) 熱源制御 熱源機台数制御
2次ポンプ台数制御
送水圧力制御
ジェネリンク用冷温水配管(冷暖)切替
排熱回収温水制御
2.衛生設備
 1) 給水設備 上水 高架水槽重力方式
中水 高架水槽重力式
 2) 排水設備 屋内合流式
 3) 給湯設備 厨房系統 マルチ給湯器
その他 電気温水機
 4) 都市ガス設備 低圧ガス 厨房用及びGHP用
中圧ガス 空調用熱源機器及び発電機
 5) 消火設備 泡消火設備 駐車場部分
  屋外消火栓設備 1F・2F
  屋内消火栓設備 3F〜RF
  連結送水管設備 3F〜RF
  スプリンクラー設備 8F〜10F・RF
  採水設備 60m3
見学写真
建物外観 篠原支部長挨拶
建物外観 篠原支部長挨拶
説明風景(2階食堂) 床制御装置
説明風景(2階食堂) 床制御装置
各階空調機械室 篠原支部長挨拶
各階空調機械室 熱源機械室
599人講義室(デネブホール) 煙突
599人講義室(デネブホール) 煙突

注)見学会当日の配布資料に記載ミスが有りました、こちらに掲載の資料が正しいです。

 
■平成20年度 第1回 技術セミナー

<第1部>
開催日 平成20年10月3日(金)
会場 平和大通り電気ビル 13階 会議室
題目 第21回 学会振興賞技術振興賞受賞業績
「岡山県立図書館の省エネルギー環境負荷低減設備計画」
講師 株式会社 安井建築設計事務所
設備部 福谷 周 様
 
講演中の福谷様
(講演中の福谷様)
講演中会場の様子
(講演中会場の様子)
「人と環境にやさしい図書館」を設計計画のコンセプトとして2004年3月に竣工した岡山市丸の内の「岡山県立図書館」設備計画・設計、並びに本図書館に採用された自然エネルギー活用技術と省エネルギー技術の効果についての実証分析に関して受賞されました。実際に導入された技術と、その効果の一例を下記に示します。
 
建物概要1 建物概要2
【省エネルギー・環境負荷低減の3段階】
@まず建築の負荷制御
2重屋根、2重外壁、縦ルーバー、LOW-eガラス、日射自動制御電動ブラインド
エコマテリアルの採用
A次に自然エネルギー利用
開架閲覧室の自然換気システム、水景による冷凍機の放熱システム、雨水利用、クールアンドヒートピット、外気冷房、太陽光発電
B残った負荷に対し省エネルギー手法の採用と電力負荷平準化
書架吹出置換空調、水蓄熱、変流量制御、変風量制御、昼光利用制御、人感センサー照明制御、全熱交換換気
設備計画〜人と環境にやさしい図書館
 
閲覧室の自然換気システム1 閲覧室の自然換気システム2
熱源システム 雨水回収利用システム1
 
閲覧室の空調システム1〜書架吹出空調 閲覧室の空調システム2〜シミュレーション
閲覧室の空調システム3〜実測結果
 
省エネルギー量1〜1次エネルギー実績 省エネルギー量2〜1次エネルギー実績
省エネルギー量3〜CO2排出削減量 まとめ
<第2部>
題目 定置用燃料電池の実用化動向と日本ガス協会における普及促進への取組み
講師 社団法人 日本ガス協会 技術開発部
燃料電池・水素プロジェクトマネージャー 小豆畑 利夫 様
燃料電池・水素プロジェクトグループ 伊部 聰 様
 
講演中の小豆畑様
(講演中の小豆畑様)
講演中の伊部様
(講演中の伊部様)
環境面や家計面でメリットがあるとされる「家庭用燃料電池コージェネレーションシステム」について、現在開発に取り組んでおられるガス会社等の最新情報を解説頂きました。その講義内容の一部を下記に示します。
燃料電池とは、蓄電池ではなく発電機 熱料電池の発電原理
燃料電池の開発状況 家庭用燃料電池システム
定置用燃料電池大規模実証事業(PEFC) 団体酸化物形燃料電池実証研究事業
事業の目的と主な実施内容 事業の実施体制
事業(規制再点検・試験法標準化)の進め方 全体スケジュール
規制再点検の対象となった主な法規制 規制適正化の現状
事業(規制再点検・試験法標準化)の進め方
 
■地区講演会

開催日 平成20年5月22日(木)
会場 鯉城会館 5階パール
題目 「低炭素社会構築に向けた技術革新」
講師 国立環境研究所 特別客員研究員 西岡秀三
講演内容 1.なぜ低炭素社会へ進まねばならないか
2.どのような道筋で下げるのがよいか
3.日本で70%削減は技術的に可能
4.環境エネルギー技術革新計画
5.人類財産の共有
6.エネルギー技術社会全体を変える 新産業革命
7.低炭素社会の構築に向けて -削減シナリオの意味するところ-
 
気候変化影響を懸念する理由
(AR4統合報告書:第3次報告より懸念は強まっている)
・ 特異で危険にさらされているシステムのリスク
- 脆弱な極地山岳社会、生態系にすでに影響が観測されている
- 工業化より1.5 ー 2.5 度上昇で特異なシステムへ影響(多様性ホットスポットなど)
- 工業化より2 ー 3 度以上上昇で動植物種20ー 30% 程度絶滅
・ 極端な気候変動のリスク
- 近年の実対応からみて第三次報告より脆弱性が高まっている。
- 旱魃、熱波、洪水の増加予測はより確実に
・ 影響と脆弱性の分布
- 経済的弱者に影響大:途上国、老人貧困層、乾燥地域、メガデルタ
・ 集計された影響:正負の影響の和
- 市場利益は早めでピーク、正味費用は温暖化とともに増加
・ 大規模不連続現象のリスク
- 何世紀にもわたる温暖化で海水熱膨張は続く
- 南極・グリーンランド氷床の力学的過程(AR4 では十分には評価されていない)
 
先進国削減と途上国排出量[2050]
先進国一人当たり排出量まで世界で許容
人口:10億人 6ガス:炭素換算10億トン ( ):一人当たり
2050年先進国全体削減率%量
(1990)
人口(1990)(2050)
先進国=世界一人当たり排出量 世界排出量
10.8(2.04)
5.29
9.19
先進国排出量
5.3 (4.8)
1.11
1.20
途上国排出量
5.5 (1.32)4.18
7.97
日本削減率%
50 2.25 20.6 2.7 17.9 36
70 1.32 12.1 1.59 10.5 62
80 0.88 8.1 1.06 7.0 75
87
世界均等
0.58 5.4 0.69 4.6 83
90 0.44 4.1 0.53 3.5 87
西本(2007)提供データから作成
排出削減に向かう(10.8⇒8.1)だけでも、先進国は80%程度の削減(日本は75%)、
途上国は現在の一人当たり排出量以下に下げることになる。
50%削減では、それ以上ときわめて厳しい削減が必要
 
 
 

(講演中の様子)
■島根県立古代出雲歴史博物館

日時 : 平成19年11月7日(水) 参加人数 : 26名
場所 島根県出雲市大社町杵築東99番地4
施設名 島根県立古代出雲歴史博物館

施設概要

 出雲大社の東隣に建設された島根県立古代出雲歴史博物館は、荒神谷遺跡の銅剣・加茂岩倉遺跡の銅鐸、出雲大社本殿の巨大柱等々が展示されている博物館で、鉄・木の展示物が多く、温湿度管理を細かく制御されたシステムとなっている。また、海に近いこともあり、鉄関連の展示物が多いため、アルカリフィルター(除塩フィルター)にて、室内を中性に保っている。

建築概要 建物規模 地上2階(一部3階、一部地地下1階)  
建築面積 9,010m2
延床面積 11,257m2
主要機器 吸収式冷温水機 冷房能力   736Kw 14℃/7℃ 2台
暖房能力   618Kw 55℃/48℃
燃料 灯油 56.5kg/h  
開放式冷却塔 冷却能力   738Kw   2台
真空式温水機 暖房能力   581Kw 60℃/50℃ 2台
燃料 灯油 56.0kg/h  
プレート熱交換器 暖房能力 581Kw 2台
1次側温水   831L/min 60℃/50℃
2次側温水   1187L/min 55℃/48℃

熱源システム概要図



設備概要

1. 展示室
1)空調方式
・分流型空調機による単一ダクト方式。
・各空調機はバイパスダクト(MD(常時閉)で切替)で接続し、バックアップ機能を持たせている。

2)空調機
・分流型空調機
・冷水コイルを循環側と外気側に分けることにより低負荷時の冷水流量低減を図っている。
2. 収蔵庫
1)空調方式
・空調機による単一ダクト方式。
・各空調機はバイパスダクト(MD(常時閉)で切替)で接続し、バックアップ機能を持たせている。

2)空調機
・コンパクト型エアハン。
3. エントランス棟
1)湿式床冷暖房設備
・床シンダー内にパイピングプレートを設置し架橋ポリエチレン管を敷設する。
・架橋ポリエチレン管内に冷温水を通すことにより、床面からの輻射熱を発せさせる。
・床下よりパイピングプレート内に吹出した空気を窓際の床吹出口より室内に給気する。

2)全空気式床冷暖房設備
・床下よりOAフロアー内に吹出した空気を床端部の床吹出口より室内に給気する。

3)空調機
・還気温度制御
・1台の空調機で1〜3階の空調(放射床冷暖房設備)を行っている。


エントランス棟ダクト系統図

■記念講演会

開催日 平成19年5月22日(火)  参加人数:87名
会場 鯉城会館 5階 パール
題目 『サステナブル建築デザインの最新動向』
講師 慶応義塾大学 教授
理工学部 システムデザイン工学科
大学院理工学研究科 開放環境科学専攻
空間・環境デザイン工学専修
伊香賀 俊治 様
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

(講演中の様子)
 
「サステナブル建築」の定義に始まって、色々な
事例を基にした分かり易い講演を頂いた。また、
建築物の環境性能を測るシステム「CASBEE」の
評価結果についても説明頂いた。

講演用スライドの中から幾つか掲載させて頂いた。
■平成18年度 第1回技術セミナー

開催日 平成19年 2月23日(金) 13:30〜17:00
会場 平和大通り電気ビル 13階会議室
参加者数 セミナー 88名、懇親会 41名
第1部

■「ダイヤモンドシティ ソレイユ」の大型氷蓄熱式空調熱源設備
 (第20回 空気調和・衛生工学会 振興賞技術振興賞 受賞実績)


講師 中国電力株式会社 販売事業本部
システム提案担当 専任課長 桑升 茂敏 殿
(株)エネルギア・ソリューション・アンド・サービス
技術部 清水 秀彦
写真
1 建築計画の概要
所在地 広島県安芸郡府中町大須2丁目1−1
建物用途 物販店舗
構造 鉄骨造  地上 5階  塔屋1階
延床面積 約218,130m2(約66,100坪)
店舗面積 約118,000m2(約35,760坪) 延床面積の54%
中央熱源対応面積 約 78,400m2(約23,760坪) 店舗面積の66%
2 熱源計画の概要
 省エネルギー・省コスト化が図れるピークカット型氷蓄熱システム
 安全性に優れ、無人化運用・24時間監視が可能
 建物全体の中心部分に熱源機械室を適正配置
 氷蓄熱槽置場は立体駐車場の未利用空間を有効活用
3 性能検証の実施と結果
 熱源システムの運用状態と冷水供給温度の制御性、各機器性能が確認された。
  熱源システムの運転状況
 無人化スケジュールにより、蓄熱運転・放熱追掛け連合運転・ピークカット運転(蓄放熱のみ)と自動的に稼動運用が行われている 。
  機器性能
 冷凍機連合運転)に多少の変動はあるが、2次側冷水を 7℃で安定して供給していることが確認できた。また、ブライン冷凍機本体の冷却能力(蓄熱運転時・追掛運転時共)及び平均COPもほぼ設計の仕様値を満足していた。
 氷蓄熱槽については、蓄熱運転〜放熱連合運転〜ピークカット運転と安定して運転しており、設計蓄熱量239GJ+16%増で仕様値を十分満足している
4 システムの省エネルギー効果検証
  低冷却水温度運転
ブラインポンプのインバータ化
予測負荷制御システムの導入運用(H16年9月20日)
蓄熱使い切り制御(残蓄ゼロ制御)

5 年間運転実績
  年間負荷需要量の推移
年間熱負荷量頻度分布
日最大時熱負荷運転
年間消費電力量とシステム効率
H16年度〜H18年度 3年間の運転実績(月別供給熱量推移)
H16年度〜H18年度 3年間の運転実績(月別熱源電力量推移)

6 運用改善による省エネルギー効果
  冷水供給温度の変更
 ・設計値:7℃に対し、中間期:8 ℃・冬期: 9 ℃に設定変更を行い運用
冬期の蓄熱完了条件の変更
 ・設計値:- 5℃に対し、冬期: - 3℃に設定変更を行い蓄熱時間の短縮運用
蓄熱使い切り制御(残蓄ゼロ制御)の導入
 ・平成16年9月から残蓄ゼロ制御を導入し、残蓄放熱量・冷凍機の運転時間の最適化を図る
  上記の運用変更,改善により下記の効果が得られた
 ・中間期・冬期は温度可変にてシステムCOP3.3に改善され、約6%の省エネとなった
 ・年間平均システムCOP3.1は計画値から約0.7%の向上となった
 ・竣工から既に約3年弱が経過COP3.1の性能を維持、安定した運転・運用を継続している


■サンポート高松地区 地域冷暖房施設
 (第20回 空気調和・衛生工学会 振興賞技術振興賞 受賞実績)

講師 大成建設株式会社 設計本部設備グループ
シニアエンジニア 疋田 昌之 殿
写真
1 熱供給施設の概要
建築主 四国電力(株)
所在地 香川県高松市サンポート1番1号
供給エリア面積 13.9ha
供給床面積 約144,000m2(約43,600坪)
供給熱媒 冷水 ( 5℃) 、温水 (49℃)
熱供給需要家 冷水 9725kW 、 温水 5,286kW(T・U期合計)

2 機器設備概要
 主要熱源仕様
 
電動ターボヒートポンプ(HP) 1,600 RT
電動ターボ冷凍機(TR) 2,400 RT
海水ポンプ 12,325 L/min × 5台
海水熱交換器(V期まで含フクんだ能力) 4,500 kW   × 5台
蓄熱槽(平型完全混合型) 1,300 m3
     (竪型カタ温度成層型) 1,800 m3
クーリングタワー(バックアップ用) 1,600 RT

 熱源システムの略系統(概念)図
3 熱供給施設の特徴
 
1) 未利用エネルギー(海水)を利用した、省エネルギー、省資源、都市環境配慮技術と効果
省エネルギー効果(プラントCOP)は高い数値を記録している。
高松という土地柄、省資源としての節水は大きな意味を持つ。
「熱汚染(ヒートアイランド)」の原因の一つである冷暖排熱を放熱せず、処理している。
2) 高効率な機器、システムの採用
建物毎の熱源システムに比べて多くかかる地域導管等の搬送用エネルギーを最小限に抑える制御方法を採用した。
3) 取扱いの難しい海水を安定して利用する技術
海水は、扱いが極めて難しく、計画時には数々の検討を要し、実際の運用でも改良を行い、熱供給事業の根本である「安定した供給」を維持してきた。
4 熱供給システム構成のコンセプト
 
熱供給プラント
 □高効率プラント
  ■省エネルギー
  ■未利用エネルギーの活用(海水の温度差利用)
 □省資源
  ■節水(海水を冷却水に使うため冷却塔の補給水が不要)
 □環境負荷低減
  ■CO2削減
  ■ヒートアイランド対策
熱供給事業
 □安定供給・高い信頼性
 □熱量金の低廉化
5 目標(システムCOP≧1.0)達成のための省エネルギー計画の立案
省エネルギーを目指した改善項目と内容
 
改善・対応項目 改善内容
冷凍機の運転方法・制御方法 冬期夜間等の低負担対応運転の検討、冷却(加熱)水量の流量調節方の変更、冷凍機容量分割と運転順位の決定、冷却水下限温度の検討 他
蓄熱槽の効率的な運転方法 蓄熱効率の算出と、効率的な運転となる払出し流量の算出、平型と縦型蓄熱槽の効率的使用方法・切り替え時期の検討 他
熱供給ポンプ搬送動力の改善 試運転調節時の夜間低負担時にプラント送出し、圧力と各需要家流量の計測 (詳細は後述)
自動制御パラメータの再調整 熱源システムにおける自動生業系統のパラメータ等の調整、海水用真空ポンプの運転/停止圧力の調整 他
海水取水ポンプ搬送動力削減 利用温度差を最大限にするためのインバータ制御の設定 他
海水の安定供給の信頼性向上 オートストレーナのON/OFF差圧設定値等の調整(詳細は後述) 他
6 平成16年度運転実績(効果の確認)
 
省エネルギー効果
目標としたシステムCOP 1.0に対し 1.04を達成
省エネ率  4%
第一期キのシステムCOP 0.81に対する省ショウエネ性能
1.31倍バイ省エネ率 31%
CO2排出ハイシュツ量の削減 年間約100 ton
7 高効率な機器、システムの採用
  建物毎の熱源システムに比べて多くかかる地域導管等の搬送用エネルギーを最小限に抑える制御方法を採用した。
 熱供給ポンプ搬送動力の改善
  (1) ポンプ送り出し圧力可変制御のためのパラメータの設定
  (2) 地域熱供給ポンプの送り出し圧力可変制御

送り出し圧力可変制御の採用によって、従来方式に比べポンプ搬送動力が46%削減
8 取扱いの難しい海水を安定して利用する技術
  海水は、扱いが極めて難しく、計画時には数々の検討を要し、実際の運用でも改良を行い、熱供給事業の根本である「安定した供給」を維持してきた。
(1) 海水取放水配管の略系統図(海水水位と熱供給プラントの床レベル)
(2) 海水は、配管・機器に対する腐食性が高く、海生生物の付着や海水中の異物による配管閉塞、干満による圧力変動・時化の影響などを十分に考慮した上で有効に利用し、熱の安定供給を維持する必要がある。




第2部

■「NEXT21の居住実験」


講師 大阪ガス株式会社 リビング事業部 リビング開発部
技術企画チーム 志波 徹 殿
写真
1 NEXT21の概要
 
所在地 大阪市天王寺区清水谷町6−16
敷地 1543m2
規模 地上 6階、地下 1階
延床面積 4,577m2
住戸規模 18戸( 32m2 〜 166m2、平均115m2
駐車場 20台


5つの課題
・高効率で省エネルギー性の高いエネルギーシステムの構築
都市環境に貢献するハード・ソフトの提案
・ゆとりある生活を実現するための高性能な建築設備の開発
・21世紀の魅力あるライフスタイルを実現する住宅モデルの提案
・フレキシブルな住宅づくりを可能にする設備・配管システムの開発
2 NEXT21の居住実験の概要
  ・省エネルギーの実験
・環境保全の実験
・人のくらしの実験

□集合住宅用コージェネレーションシステム

・独立型電源方式、直流配電方式、エネルギーシステムコントローラなどの技術を検証。

従来の住宅に対して、断熱性向上で18%設備で9%、計27%の省エネルギーを実証した。また、第2フェーズでは熱主導運転により設備での省エネ性を向上させ合計で30%の省エネルギーとなり集合住宅用エネルギーシステムとしての優位性を実証した。

□アクアループシステム

第1フェーズ
 家庭用システムとしてのデータを取得し実用化の技術開発を完了。上水使用量の20%を削減
第2フェーズ
 紙とプラスチックの同時処理の実証実験を行い、家庭用可燃ゴミの一括処理の技術開発を完了。

□躯体住戸分離方式・フレキシブル配管システム
躯体と住戸・設備を分離して建設
躯体部分は100年の耐久性を確保し
リフォームや設備更新も可能なため
良質なストックとなる設計

立体街路(共用廊下)の下に
設備スペースを確保、今後の
水配管追加工事も問題なく
可能であった。

□リフォーム実験
第1フェーズ
 402住戸において外壁と水周りの
 変更を伴なうリフォームを実施(1996年度)

第2フェーズ
 404住戸において、住戸を分離する
 リフォームを実施。
 また、その405住戸では可動間仕切り
 によるリフォームを実施(2002年度)

3 第3フェーズの居住実験
  ・水素燃料電池コージェネレーション
・隣組コージェネレーション
・固体酸化物形燃料電池
・その他住戸での実験


□水素燃料電池コージェネレーション
[概要]
セントラル方式の水素製造装置を屋上に設置し、各戸のパイプスペースに設置できる水素PEFCと蓄電装置を組合わせたコージェネレーションシステムの実証試験
3〜4階と5〜6階で設置形態を変え、各々の最適な規模や制御方法を検証。
【5〜6階部では、国土交通省の住宅・建築関連先導技術開発助成事業の補助金交付を受けて実施】
□隣組コージェネレーション
[概要]
各戸の設置した蓄熱槽とワンループ配管からなる熱融通システム。
ワンループ配管は小径の管で、蓄熱槽も小型のため、イニシャルコストとランニングコストを低減。

□固体酸化物形燃料電池
[概要]
固体高分子形燃料電池よりも、高温で作動し、発電効率が高いのが特徴。
起動/停止は、固体高分子形燃料電池の方が容易。
2008年度内の大規模実証実験を目標に開発中。
301住戸の4階部分の外部ベランダに設置。

□その他住戸での実験

■呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)
日時:平成18年10月4日(水)   参加人数 : 56名
場所:広島県呉市宝町5-20
施設名 : 呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)
≪施設概要≫
 呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)は、東洋一の軍港、日本一の海軍工廠のまちとして栄えてきた呉市に建設された。展示物に10分の1の戦艦大和(全長26.3m)等の大型展示物が設置されているため、大空間に適した空調設備が必要とされ、室内全体を均一に空調するために床冷暖房設備が採用されている。
建築概要
建物規模  地上4階
建築面積  4,636.94m2
延床面積  9,628.01m2
主要機器 空冷ブライン
ヒートポンプチラー
冷房運転時 蓄熱時能力273Kw-2℃/-5℃ 1台
追掛時能力422Kw9.6℃/5℃
暖房運転時 蓄熱時能力240Kw48℃/53℃
追掛時能力280Kw37.2℃/43℃
熱回収時 追掛時冷房能力  340Kw8.7℃/5℃
追掛時暖房能力  480Kw33℃/43℃
蓄熱時冷房能力  125Kw-3.6℃/-5℃
蓄熱時暖房能力  265Kw47.5℃/53℃
吸収式冷温水機 冷房能力527Kw14℃/7℃
暖房能力441Kw35℃/42℃
1台
氷蓄熱槽 蓄熱量9,300MJ-2℃/-5℃
最大放熱量422Kw
放熱量273Kw
1台
温熱蓄熱量 蓄熱量8,500MJ蓄熱時
最大放熱量280Kw48℃/53℃
放熱量240Kw放熱時
1台

≪熱源システム概要図≫


床冷暖房仕様表
敷設面積 430m2
床下総風量 12780m3/h
吸熱量(冷房) 44W/m2(38kcal/m2・h)
放熱量(暖房) 95W/m2(82kcal/m2・h)
床表面温度(冷房) 21℃
床表面温度(暖房) 29℃
冷温水パイプ 高密度架橋ポリエスチレンパイプ  120m/回路
床冷暖部 13A(内径13) ピッチ150mm
冷温水(2次側)
冷水  125L/min
 (16〜18℃)
 ;  温水  125L/min
 (41〜35℃)
ヘッダー流量 FCH-1 冷水 40L/min  温水 40L/min
ヘッダー流量 FCH-2 冷水 45L/min  温水 45L/min
ヘッダー部以降圧損 8mAq
給気モジュール SM-1  500×500


床冷暖房設備断面図


床冷暖房設備敷設図
給気モジュール接続要領図

≪見学写真≫
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■記念講演会

開催日 平成18年5月23日(火)  参加人数:89名
会場 鯉城会館 5階 パール
題目 『知的生産性とこれからの空調』
講師 田辺 新一 様  早稲田大学理工学部建築学科 教授
・室内環境における省エネルギー対策の課題
・クールビズと知的生産性
・省エネルギー・知的生産性向上に適した環境制御
・SBS(シックビルディング症候群)症状と知的生産性
・温熱環境と知的生産性に関する被験者実験
 などについて、約80分間ご講演頂いた。

講演の始めに、2つのテナントビルの外観写真について解説された。
片方は外壁全面にガラスが多く採用されたビルで、もう一方は外壁から少し奥まった所へ必要な窓ガラスが配置されたビルであった。昼光利用のことも考えてデザインされたであろう前者のビルの方が、眩しさの関係から実際はブラインドが下げられて昼光を利用出来ていない状況に有ることを説明された。建築デザイナーの意図することと現実(使い易さ)とが異なっていることが分かった。

環境性能評価システムについては、GBTool・LEED(米国)・BREEAM(英国)・CASBEEなどがあり、これからのエネルギー環境政策の動向として、CO2排出量の削減値(率)ではなく削減効率で評価されるようになることや、機器の性能を示す「COP」表示も最大出力時の性能ではなく、低負荷から高負荷の平均性能表示に変わっていくであろうことを解説された。

これまでの研究成果として、被験者実験による高温環境が知的生産性に与える影響や、脳内酸素代謝を測定し作業成績による評価だけでなく、疲労を測定することが重要であることを説明された。

これからの建物の環境性能評価は、省エネルギー性能の良し悪しだけではなく、そこで仕事をする人の働きやすさ(生産性)の評価も含めて考えなくてはいけないと感じた。

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講演中の様子